関節リウマチってどんな病気？

本記事では、関節リウマチとはどんな病気なのかをわかりやすくまとめています。

関節リウマチとはどのよう病気？

関節リウマチ（rheumatoid arthritis:RA）は、関節内に存在する滑膜という組織が異常増殖することによって関節内に慢性の炎症を生じる疾患で、進行すると関節が破壊され様々な程度の機能障害を引き起こします。
関節症状に加えて貧血や微熱、全身倦怠感などの全身症状や様々な臓器病変（関節外症状）の合併症を認め、リウマトイド因子（変性IgGのFc部分に対する自己抗体）など様々な自己抗体を認める全身性自己免疫疾患です。
好発年齢は30〜50歳代に多く、男女比は約１:３と女性に多い。

関節リウマチの病態は？

関節リウマチの原因としては、HLAなどの遺伝的な要因やウイルス感染などの環境的な要因が考えられています。自分の体の免疫が誤って関節を攻撃するという自己免疫の仕組み（Ⅲ型アレルギー）が関係しているという説が有力です。関節リウマチの人の血液には、自己免疫の証拠となるリウマトイド因子という物質が70〜80％の人で見つかることが知られています。

関節リウマチの人の関節には、滑膜という薄い膜が炎症を起こしています。滑膜は、関節の動きをスムーズにするためにあるものですが、炎症によって厚くなってしまいます。滑膜が厚くなると、関節の中に肉芽組織という新しい組織ができます。この肉芽組織は、パンヌスと呼ばれています。パンヌスは、関節の骨や軟骨などを壊してしまう物質（マトリックスメタロプロテアーゼ（MMP））を出します。そのため、関節がだんだんと壊れて、変形してしまいます。最終的には、関節が動かなくなってしまうこともあり、関節の構造や機能を破壊する病気です。

関節リウマチの人の滑膜からは、炎症を強くする物質がたくさん出ています。これらの物質は、滑膜の炎症を維持したり、パンヌスの増殖を促したり、骨を溶かす細胞を活性化したりします。これらの物質の中には、プロスタグランジンなどの炎症を促進する化学伝達物質（炎症性ケミカルメディエーター）やTNF-αやIL-1、IL-6などのサイトカインと呼ばれる種類の物質があります。サイトカインは、免疫の働きを調節する重要な役割を持っていますが、関節リウマチの場合は、逆に病気を悪化させることになります。

関節リウマチの症状は？

最初は両方の手や足の指などの小さい関節が左右対称的に腫れて､とくに朝にこわばるようになります。また、人によっては肘、膝、股関節など大きな関節にも病変が進み、水が溜まり、動きにくくなり、痛みのために日常生活に困難をおぼえるようになります。また，全身倦怠感や微熱 ，食欲低下など の全身症状や，皮膚(皮下結節など)，眼，肺など，関節以外の症状が出ることもあります。
関節の破壊は発症早期(2 年未満)に進行するこ とが多く ，自然寛解は稀ですので ，早期からしっ かりとした治療を行い ，長期にわたり継続してい く必要があります.

患者さんへの説明、指導はどうすればいい？

以上、関節リウマチの病気についてのまとめでした。
専門用語などの分かりずらい用語はできる限りわかりやすい言い回にしていますので、日々の学習にご活用頂けたら嬉しいです。
次回は関節リウマチの治療方法の記事をアップ予定なので、そちらもご確認くださいね！
ここまで本記事を閲覧頂きありがとうございました。

文献
１）日本整形外科学会
https://www.joa.or.jp/public/sick/condition/rheumatoid_arthritis.html
大正製薬　製品情報サイト
https://www.taisho-kenko.com/disease/601/
日本リウマチ財団
https://www.rheuma-net.or.jp/rheuma/publications/pdf/guideline1to4.pdf
日本リウマチ学会
https://www.ryumachi-jp.com/jcr_wp/media/2022/03/life_1-1.pdf