知らないと損する!?「損」「得」どちらが人の考えに影響する?〜損失回避の法則〜

生活

こんにちは。薬のくまさんと申します!

私は薬剤師として日々忙しく働いていますが、仕事をする中でふと気が付いたことがありました。それは「得」より「損」の方が、人にの考えに及ぼす影響が大きいのではないかと言う事です。

「どういうこと?」と思われた方もいるでしょう。順を追って説明していきますね。

今まで薬局に行かれた事がある方なら「お薬手帳・マイナンバーカードはお持ちですか?」と聞かれたことがあるのではないでしょうか?

私も薬局に来られた患者さんには必ず「お薬手帳」「マイナンバーカード」を持っているか確認しています。

「お薬手帳」は持たれている方が多いのですが一方で、「マイナンバーカード」を医療機関で提出が求められる事を知っている患者さんはあまり多くありません。

「マイナンバーカードをお持ちですか?」と聞いても「なんで薬局で出さないといけないの?」「薬剤師に検査値や個人情報なんて見られたくない」と言われる方が結構多いのが実情です。

病院でドクターに見られてもいいけど、薬剤師は嫌、、、まだまだ薬剤師の仕事は「お薬を渡す人」っていうイメージが強いんでしょうか。

とそんな話は、置いておいて、「マイナンバーカード」の提出を求めた時に、聞き方次第で、患者さんの反応が全然違う事に気が付きました。

最初の頃は、「マイナンバーカードお持ちでしょうか」との掛け声で「マイナンバーカード」を出してくれるのは全体の10%未満です。全然マイナンバーカードを提示してくれませんでした。

そこで言い方を変えて「マイナンバーカードをお出し頂いたら、検査結果や併用薬を薬剤師が確認でき、薬局でのお会計が安くなることがあります」メリットをお伝えするようにしました。

そうすると、全体の15%程度の方がマイナンバーカードを提出してくれるようになりました。一定の効果が出始めました。

それでもまだまだマイナンバーカードの提示率は低いですね。
「薬局の受付で、何をされたらマイナンバーカードを出したくなるかな?」と考えました。
私の場合は、『ちょっと「得」するより「損」する』と言われた方が嫌だな〜

そこで「マイナンバーカードをお出し頂かない場合は、お会計が少し高くなることがあります。」とデメリットを伝えるようにしてみました。

その結果、効果テキメン!なんとマイナンバーカードの提示率が35%程度まで上昇。
めっちゃ効果絶大でした。

よくある薬局受付時の会話の1例です。

薬のくまさん
薬のくまさん

お薬手帳・マイナンバーカードはお持ちですか?

患者さん
患者さん

お薬手帳は持っているよ。マイナンバーカードはなんで薬局で出さないといけないの?

薬のくまさん
薬のくまさん

マイナンバーカード提示で、検査値や併用薬を薬剤師が確認でき、薬局でのお会計が安くなることがあります。

患者さん
患者さん

そんなんええわ!
薬剤師に検査値見られたくないわ!早くして!

薬のくまさん
薬のくまさん

マイナンバーカードを提示頂かないとお会計が少し高くなることがあります。ご了承ください。

患者さん
患者さん

え、お会計高くなるの。マイナンバーカード持っているよ。ほら!

みんなも「得」するより「損」する方が嫌なんだな。いい事を学んだ!

これはノーベル経済学賞を受賞しているダニエル・カーネマン教授が提唱する「行動経済学」の分野の中で「損失回避の法則」と言う考え方です。

お恥ずかしながら、私は初めて知った法則です。この「損失回避の法則」って、様々な意思決定をする時に影響していそうですよね。

この法則を利用すると自分の行動を変えたい時に役に立つのではないでしょうか?

例えば、「筋トレ」「英語の勉強」を始めたいと思ったとして、「筋トレをして血圧を下げたい!」「英語の勉強をして、英語圏の人と話せるようになりたい!」などのメリットをモチベーションにして新しいことをスタートする人が多いですが、全然続かないんですよね。

何かを始める時は「筋トレしないと血圧が下がらない!」「英語を話せないとグローバルな人材には絶対なれない!」などのデメリットを意識したモチベーション維持するのが有効なのではないでしょうか?

新しいことをスタートしても三日坊主で全然続かない、、、と言う方は、これからは「デメリット」を意識して新しいことへチャレンジをしてみてはいかがでしょうか?

ここまで、お読み頂いてありがとうございます!ではでは〜!

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