小学校の健康診断における医師の検診行為は正しかったのか?

くすりのはなし

こんにちは!薬のくまさんです。

今回は、小学校で行われた健康診断において、医師の不適切な診療行為があったとして問題になっているニュースです。この件に関する経緯と、私見を述べたいと思います。

ニュースの概要

2024年6月、群馬県南上町の小学校で行われた健康診断で、学校医で70代の男性医師から下半身をのぞかれた、などと複数の児童が訴えていたことがわかりました。この医師は町教育委員会が保護者らと報道機関向けにそれぞれ開いた説明会に出席。事実を認め、「性徴を確認するのが、専門家の立場だ。外性器と陰毛の生え具合などを確認している」と説明しています。学校医でいる限りは下半身の視診は続けるとした一方、「今になれば、事前に説明する必要があったと思う」とも述べています。

ここまでが、経緯になります。みなさんはどんな感想をお持ちですか? 私の個人的な見解ですが、結論から言うと今回の医師の行為には「問題があった」と思います。



健康診断の内容は正しかった?

今回の問題の考える上で、論点は「医学的な観点から下半身の診察の必要性」「小学校の健康診断で下半身の診察をする妥当性」の2点だと考えます。

まずは、健康診断を担当した大山健二医師は、山梨医科大学教授を歴任されており、小児内分泌学、その中でも特に性成熟の分野を専門にされています。
そのため、小児科の専門医として、必要な医療行為だと考えて今回の健康診断を行った可能性は否定できません。

「医学的な観点から下半身の診察が必要であったか?」と問われれば、本人にしか分からないことだと思います。本人が純粋に医療行為として行ったか、猥褻目的で行ったかによって判断が分かれる内容だと思います。

また、教育委員会や文部科学省の指針や学校保健安全法施行規則によると下半身の診察は規定されておらず、下腹部・陰部の検診の必要性があるとは言えません。仮に医療上、下腹部、陰部を診察する場合は、事前に本人・保護者に同意を得て行う必要がありますので、健康診断で下半身の診察を行うことは妥当ではなかったと思います。

・医療的な観点から下半身の診察が必要だったか?→分からない(本人次第)
・健康診断で下半身の診察は妥当だったか?→NG(本人・保護者同意なし)

まとめ

一昔前に同様な診察を行なっても問題にはならなかったかもしれませんが、インフォームドコンセントが当たり前の現在では、本人や保護者に同意なしに規定にない診察を行うのは、アウトと言われても致し方ないですよね。

時代の変化に対応してマインドをアップデートすることが大切であると再認識したニュースでした。

皆さんの考えもぜひ教えてください。

以上、薬のくまさんの気になったニュースの紹介でした。



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