同じARBで何が違う?カンデサルタンとロサルタンから見るARBの特徴

こんにちは!薬のくまさんと申します。
高血圧治療薬の第一選択薬であるARB。同じARBの中でも、ブロプレス(一般名:カンデサルタン)、ニューロタン(一般名:ロサルタン)には適応症などの違いがあります。

ARBはアンジオテンシンIIの受容体(主に、アンジオテンシンIIタイプ1受容体〔AT1受容体〕)を阻害し、アンジオテンシンIIの血管収縮作用などを阻害し血圧を低下させます。またARBには(アンジオテンシンIIの心臓肥大化や腎臓線維化などを阻害することから)降圧作用のほか、心臓や腎臓の保護作用なども期待できるとされています。

更に詳しく知りたい場合は、以下投稿も併せてご確認ください

ブロプレスは高血圧の他にも、ACE阻害薬の適応がない場合の軽症〜中程度の慢性心不全にも適応があります。1)

2005年の「ACC/AHA慢性心不全治療ガイドライン」で慢性心不全(CHF)の初期から投与すべき治療薬として、アンジオテンシンII受容体拮抗薬(ARB)が新たに加わりました。

慢性心不全にARBのカンデサルタンを投与しCHARM試験では、3つの試験を統合した試験結果になりますが、1次エンドポイントの総死亡はカンデサルタン群886例(23.3%)に対してプラセボ群 945例(24.9%)と、カンデサルタン群で有意に低下します。

ニューロタンは高血圧症の他に、2型糖尿病における糖尿病性腎症にも適応があります。3)

ただし、ロサルタンの糖尿病性腎症に対する有効性は、尿中アルブミン/クレアチニン比で 300mg/g以上の蛋白尿を合併した患者でしか確認されていません。また、本薬投与中には、一過性の血圧低下、血清カリウム上昇および血清クリアチニン上昇、貧血が生じやすいことから、定期的(投与開始時は2週間ごと、安定後は月1回程度)に、血圧測定と血液検査を行うことが必要とされています。

以上、ARBのブロプレス、ニューロタンに注目して、特徴をまとめました。日々、お役立ちの医療情報を分かりやすく発信しています。次回の投稿も、ぜひお楽しみに!ではでは〜!

1)ブロプレス 添付文書
2)日経メディカル
3)ニューロタン 添付文書

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